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引っ越しの掃除はどこまで必要か?部屋別の掃除方法を解説

公開日

2023.04.05

更新日

2024.05.14

引っ越し掃除

引っ越しをする際の掃除は、なかなか大変なものです。どこまで掃除が必要なのかを把握して、引っ越し作業の手間を減らしましょう。本記事では、引っ越しの際の掃除の必要性や場所別の掃除方法をご紹介します。

引っ越しの際に掃除は必要?

賃貸物件から引っ越しをする際に、気持ちよく退去するために部屋を掃除する人が多いです。しかし、必ずしも行わないといけないことではありません。

掃除は義務付けられていない

マンションやアパートの大家や不動産会社との間で取り決めがない限り、基本的に「退去時に掃除をしなければならない」というルールはありません。そのため、家具や家電を運び出すだけでも引き渡すことは可能です。

しかし、部屋を貸してくれた大家や次に住む人のことを考えて、できる範囲で掃除をしておくのはとてもよいことです。どうしても時間がない場合や、特別な事情がない限りは、マナーとして掃除することをおすすめします。

掃除をするメリット

賃貸物件からの退去時には、原状回復義務があります。原状回復とは、住んでいる間に付いた汚れや劣化を回復させ、賃貸物件を契約した際と同じ状態に戻すことです。

この原状回復をするために必要な費用は、敷金を納めている場合はそこから捻出されます。そのため、少しでも掃除をしてキレイな状態にしておけば、ハウスクリーニングにかかる費用を抑えられ、敷金の一部が返還されるかもしれません。

反対に、敷金だけでは賄いきれないほど汚れていたり破損していたりする場合は、追加で費用を請求される恐れがあります。

また、敷金が不要の物件では、原状回復にかかる費用が借主負担とされているケースが多いです。そのような契約の場合は、掃除によって退去時の費用を抑えられる可能性があります。

契約内容を見て判断する

賃貸物件は、物件によって契約内容に大きな違いがあります。掃除をするか迷った場合は、契約書を確認してから決めてもよいでしょう。

退去時の清掃が不要とされているケースもあり、そのような場合は掃除によって退去費用が変わる可能性は低いです。

反対に、敷金から原状回復費が支払われる契約や、追加費用が請求される可能性のある契約の場合は、できるだけ掃除を行いましょう。

退去時の原状回復はどこまで必要?

退去時には原状回復することが基本です。しかし、100%元の状態に戻すのは非常に難しく、一部の劣化は原状回復の対象外です。

原状回復が必要とされる範囲

原状回復が必要とされているのは、借主の故意や過失、善管注意義務違反などにより発生した、汚れや破損です。一例を見ていきましょう。

場所 汚れや破損などの内容
水まわり 掃除不足により発生したカビや水アカなど
設備 掃除不足により発生した油汚れや手アカなど
落書き、衝撃による凹み、結露を放置したことによるカビなど
何かを落とした際にできた凹みや傷、掃除不足による汚れなど

気を付けていれば防げた汚れや破損は、基本的に原状回復の範囲内とされます。自分で汚したり壊したりした部分は、自分の責任で元に戻す必要があるわけです。

カビや水アカをはじめとした汚れは、退去時の掃除でキレイにすることも可能です。敷金の返還や退去費用の削減を狙う場合は、しっかりと掃除しておきましょう。

原状回復の対象外になる例

原状回復の義務がないのは、経年劣化が中心です。通常の使用をしていて、掃除や手入れも行っているのに劣化してしまう部分は、借主が回復させる必要はありません。
一例をご紹介します。

場所 汚れや破損などの内容
水まわり 水栓の劣化、経年による配管の破損や汚れなど
設備 古くなった給湯器やコンロなどの交換
冷蔵庫裏の黒ずみ(電気焼け)、日照りによる変色など
家具の設置による凹み、設置跡など

 

生活をするうえでどうしようもない劣化や汚れは、原状回復の対象外です。このほかにも、防ぐことが難しい部分のカビや汚れ、経年劣化による摩耗や色褪せだと判断される場合は、原状回復義務が発生しません。

原状回復の範囲は契約内容や管理会社の判断によって、差が生まれることがあります。必ずしもこちらでご紹介したとおりになるとは限りません。退去前に契約内容を再確認し、疑問があれば管理会社や大家さんに聞いておきましょう。

場所別の掃除方法

場所別の掃除方法

退去時の掃除での注意点やチェックポイントを場所別にまとめました。いずれも原状回復義務の範囲内になりやすい部分です。しっかりと掃除しておきましょう。

キッチン

キッチンはさまざまな汚れが付きやすく、カビも発生しやすいエリアです。コンロ・換気扇・シンク周りを中心に、油汚れやカビが残っていないか徹底的に掃除しましょう。

コンロ周り

コンロの周囲は油汚れが残りやすいです。油汚れは酸性のため、反対のアルカリ性洗剤や重曹を使って掃除をするとキレイになります。

洗剤を吹きかけて拭くだけでもよいですが、頑固な汚れは洗剤を含ませたキッチンペーパーをかぶせて、30分ほどしてから拭くと落ちやすくなります。

コンロだけでなく、周囲の壁やガスホースなどにも油汚れが付いていることがあります。時間があれば、細かい場所は綿棒や爪楊枝を使って掃除しておきましょう。

レンジフード・換気扇周り

レンジフード・換気扇も油汚れが付着しやすい部分です。できる範囲で分解して、パーツごとにつけ置きして洗うとキレイになります。

外せない部分にはアルカリ性の洗剤を吹きかけて掃除しましょう。コンロと同じように、なかなか落ちない油汚れはキッチンペーパーでパックしてから洗うと効果的です。

フィルターは歯ブラシで軽くこすると簡単に汚れが落ちます。油汚れは調理中の煙やニオイが充満する場所に多く付着するため、整流板やカバーもしっかり掃除しておきましょう。

シンクや蛇口

シンクや蛇口に付着する、水の跡のような白いモヤモヤした汚れは水アカです。クエン酸や水アカ用の洗剤を使って、よくこすると落とせます。軽い汚れの場合はお酢で拭いてもキレイになります。

こする際にはマイクロファイバークロスを使うのがオススメです。マイクロファイバークロスがない場合は、ポリエステルを含む生地で拭きましょう。

シンクは排水口の掃除もしっかりとしておきましょう。ぬめりや黒ずみ、カビなどが発生しやすく、劣化もしやすい部分です。

シンク下

シンクの下に付いている収納は、調理器具や調味料を入れることが多い場所です。回収し忘れがないか確認するとともに、中性洗剤で拭き掃除をしておきましょう。カビや調味料のシミなどがある場合は、洗剤を使ってできるだけ落としておきます。

また、収納の扉も意外と汚れやすい部分です。基本的には中性洗剤で拭くだけでよいですが、水アカやカビが付いている場合もあります。

棚や吊戸棚

備え付けの棚や吊戸棚の掃除も忘れてはいけません。コンロに近い場所にあると、油汚れが付着していたり、いつの間にかはねた油や調味料による汚れが残っていたりします。持ち手の部分や棚の内部もまとめて拭き掃除をしておきましょう。

吊戸棚は奥のほうに忘れ物があることが多いです。掃除しながら残しているものがないかチェックしてください。

トイレ

トイレは汚れが溜まりやすく、水アカやカビも発生しやすいです。普段の掃除では見落としがちな部分もキレイにしましょう。

便座と便器

便座や便座カバーなど外せる場合は、すべて外して掃除します。トイレ用の洗剤を使えばほとんどの汚れは落とせますが、細かい部分までキレイにしたい場合は歯ブラシや綿棒を使いましょう。

なかなか落ちない黒ずみや尿汚れは、洗剤を含ませたトイレットペーパーで覆い、30分ほど放置すると落ちやすくなります。

掃除をさぼりがちで尿石や落ちない黄ばみが発生しているときは、尿石用洗剤かクエン酸が効果的です。ウォシュレットが付いている場合は、掃除モードを使った掃除や除菌も忘れずにしておきましょう。

タンクや手洗い場

トイレタンクの上部にある手洗いや、トイレ内の手洗い場は水アカが付きやすいです。メラミンスポンジやクエン酸を使うとすぐにキレイになります。

トイレの手洗い場は、キッチンの水まわりよりもコンパクトであることが多いです。そのぶん細かい部分に汚れが入り込みやすく、カビが発生してしまうことも。裏側や蛇口の付け根などもチェックしつつ掃除しましょう。

なお、タンクの裏側は、ホコリが溜まりやすいです。割りばしやお掃除グッズを使って、できるだけ隙間も拭いておくとよいです。

床と壁

トイレの床と壁は、尿跳ねをはじめとした汚れが付着しやすいです。ホコリや手アカが付くこともあるため、トイレ用の掃除シートやトイレ用洗剤を使って拭き掃除をしましょう。

浴室

浴室には、水アカや石鹸カス、カビなどさまざまな汚れが残りやすいです。場所ごとに適切な掃除方法でキレイにしましょう。

浴槽

浴槽の中はお風呂用の洗剤でしっかりこすって洗います。縁の部分やカバー部分に水アカやカビが生えることが多いため、見る角度を変えてチェックしてみましょう。

壁や床との境目や、排水口の周りはカビがとくに残りやすいです。カビが落ちない場合は、カビ取り専用の洗剤や漂白剤を使い、トイレットペーパーでパックすると落としやすいです。

排水口

排水口では、外せるパーツは全部外し、髪の毛やぬめり、カビなどが残らないように掃除します。細かい溝や隙間が多いため、歯ブラシを使って掻き出すように掃除するとよいです。

ご自分で排水口の蓋や網を交換している場合は、必ず入居時のものに戻しておきましょう。

換気扇

浴室の掃除で忘れがちなのが換気扇です。フィルターやファン、カバーなど、外せるパーツはすべて外して拭き掃除をします。外せない場合はその場で拭き掃除をするだけでも大丈夫です。カビが生えやすい部分であるため、なるべく細かく掃除してください。

床と壁

浴室の床や壁は、ぬめりが発生しやすく、水アカと石鹸カスも残りやすいです。浴室用の洗剤を吹きかけて、スポンジやタオルを使って拭き掃除をしておきましょう。

床と壁の下のほうは石鹸やシャンプーなどの汚れが付着していることが多いです。固まってしまったものは、ぬるま湯でふやかしてから拭くと落とせます。

洗面台

洗面台の掃除方法は、基本的にキッチンのシンクと同じです。

水アカやカビを落として、収納が付いている場合は忘れ物がないか確認し、中も拭き掃除をしておきましょう。鏡に付いてしまった水アカもクエン酸で落とせます。市販のウロコ取りを使ってもよいでしょう。

浴室の排水口と同様に、ご自分で蓋や網を交換している場合は元に戻します。

リビング・ダイニング

リビングやダイニングなどの部屋の床や壁も汚れていることが多いため、しっかり掃除を行いましょう。また、床材に応じて掃除方法を変えてください。

床材の種類 掃除方法
フローリング 掃除機をかけて拭き掃除をします。フローリング用の洗剤や、中性洗剤を使うとキレイになります。

フローリングは溝に汚れやカビが溜まりやすいです。楊枝を使ってキレイにしましょう。

クッションフロア クッションフロアはフラットな構造であるため、掃除機と拭き掃除だけで問題ありません。

カビが生えることもあるため、隅のほうまで掃除しましょう。

畳は掃除機かほうきで掃除します。カビが生えている場合は揮発性の高いエタノールで掃除します。

 

いずれの床も、ラグや家具を置いていた場所にはカビや汚れが溜まりやすいです。壁は可能な範囲で拭き掃除をします。水拭きするか中性洗剤で洗うとキレイになります。

床と壁は見えていない部分も多く、気付かない汚れも少なくありません。長く設置したまま動かしていない家具や家電がある場合は、その裏側や下側もチェックして掃除しましょう。

退去時はできる範囲で掃除をしよう

賃貸物件から引っ越しをするときに、掃除をしないといけないというルールはありません。しかし、契約内容によっては掃除をしておくことで、敷金の返還や、退去費用の削減が期待できるかもしれません。

掃除をする際は、自分が住んでいる期間に付着してしまった汚れを中心に取り除いてください。日照りによる色褪せや、家具の設置による凹みなど、経年劣化とされるものは原状回復が難しいでしょう。

気持ちよく引っ越しするためには、できる範囲で掃除をすることをオススメします。どうしても掃除ができず、目立った汚れが気になる場合はプロのクリーニングを使う方法もありますので、ぜひご検討ください。

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