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加湿器のお手入れ方法をタイプ別に徹底解説

公開日

2024.10.09

更新日

2024.10.09

2024100209

肌や喉の乾燥を防ぎ、部屋の湿度を適度に保ってくれる加湿器は、暖房と並んで冬場に欠かせないアイテムの一つといっても過言ではありません。しかし加湿器の掃除を怠っていると、健康被害をもたらす可能性もあるため気を付けましょう。

加湿器には「スチーム式(加熱式)」「超音波式」「気化式」「ハイブリッド式」があります。本記事では加湿器のお手入れの方法を、加湿器のタイプ別にご紹介します。最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、どれも決して難しいものではありません。ぜひ他の家具や家電のメンテナンスと併せて、ルーティン化してみてください。

なお本記事でご紹介する内容はあくまで一般的な方法のため、実際にお手入れを行う際は、取扱説明書などを確認しメーカーの推奨する方法で進めましょう。

汚れた加湿器を使い続けるとどうなる?

加湿器はどのタイプでもこまめなお手入れが大切です。しかし、もし加湿器を掃除せずに使い続けた場合はどうなるのでしょうか。考えられるリスクとしては、大きく以下の3つが挙げられます。

  • 部屋中に雑菌やカビが広がってしまう
  • 人体に悪影響を及ぼす可能性がある
  • 故障する可能性がある

一つずつ詳しく解説します。

部屋中に雑菌やカビが広がってしまう

加湿器のタンクやフィルターを掃除せずに放置していると、湿気により発生した雑菌やカビがどんどん繁殖し、結果として加湿された空気とともに部屋中に雑菌やカビが広がります。加湿器からカビや雑巾のようなイヤなニオイがしてきた場合は、すぐに掃除をしましょう。特に喘息やアレルギーなどの疾患がある人は注意が必要です。

人体に悪影響を及ぼす可能性がある

加湿器に繁殖する細菌の種類はさまざまですが、過去には加湿器に繁殖したレジオネラ菌という細菌が原因となり、老人ホームで集団感染を起こしたケースがあります(※)。このケースでは、タンク内で増殖したレジオネラ菌が、加湿された空気と一緒に室内に広がり、その空気を吸い込んだことで感染が起こったとされています。

レジオネラ菌の感染によって引き起こされるレジオネラ症は、「レジオネラ肺炎」と「ポンティアック熱」と呼ばれる2種類の病気が代表的です。レジオネラ肺炎は、38℃以上の高熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛などの諸症状が起こることが特徴です。ポンティアック熱は、突然の発熱や悪寒、筋肉痛などが起こるといわれています。

また加湿器に繁殖する細菌によって、肺炎やアレルギーが引き起こされる可能性もあります。

※参考:厚生労働省「特別養護老人ホームにおける加湿器 からの感染事例」 ,(参照 2024-07-31)

故障する可能性がある

加湿器には水道水を使用することが一般的ですが、水道水にはナトリウムやカリウムが含まれており、これらは固まりやすい性質があります。

付着してすぐであれば簡単に落ちますが、放置したままの状態が続くとなかなか取れなくなってしまいます。そのままにしておくと、フィルターが目詰まりを起こし、加湿能力の低下や故障を引き起こす可能性もあるでしょう。

加湿器の汚れの種類

加湿器の汚れは大きく「水アカ」「菌やカビ」「ホコリ」の3種類に分けられます。これらを放置していると、加湿器としての機能が低下するだけではなく、イヤなニオイが発生する恐れがあります。

以下では、それぞれの汚れについてさらに詳しく解説します。

水アカ

フィルターやタンクに、粉を吹いたような白い塊がこびりついているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。これは水アカで、水道水に含まれる塩素やカルシウム、ミネラルなどが石灰化するために起こるものです。水アカがたまると、加湿機能が低下したり、ニオイの原因になったりすることがあります。

水アカが発生することは避けられないため、放っておくとこびりつき、頑固な汚れとなります。こまめなフィルター掃除と、毎日のタンクの水の入れ替えが大切です。

こすっても取れないような頑固な水アカには、この後お手入れ方法でご紹介するクエン酸が有効です。

菌やカビ

加湿器には水道水を入れることが一般的であり、水道水は塩素消毒で除菌されています。しかしこの除菌効果が続くのは、タンクに注いでから約1日ほどです。
こまめにタンクの水を替えなければ、タンク内やフィルターにカビや細菌が発生します。

加湿器から拭き出す風が臭い場合は、過炭酸ナトリウムへの漬け置きが有効です。

ホコリ

空気を吸い込む吸気口には、室内のホコリがたまりやすいです。そのため吸気口は、こまめにホコリを取り除くことが大切です。そのままにしておくと吸気口が目詰まりを起こし、加湿量が低下する恐れや、送風音が大きくなる恐れがあります。

その他、そもそも部屋にホコリがたまらないよう日頃から部屋全体に掃除機をかけ、ホコリを少なくしておくことも大切です。

スチーム式加湿器のお手入れ方法

スチーム式(加熱式)加湿器は、内部にあるヒーターにより水を沸騰させて水蒸気を発生させる仕組みの加湿器です。水を沸かす際に内部が煮沸消毒されるため、カビや雑菌が繁殖しにくく清潔な状態を保ちやすいという特徴があります。フィルターも少なく、お手入れが比較的簡単であることもメリットといえるでしょう。

ただし水蒸気の吹き出し部分が熱くなるため、ペットや小さなお子さまがいる家庭では置き場所に注意が必要です。水を沸騰させることから、電気代が高くなる傾向にもあります。

また水道水を使用するため、水を入れるタンクや水蒸気がよく当たるパーツに水アカが付着する可能性があります。

必要なもの

  • クエン酸
  • 乾いた布
  • 使わなくなった歯ブラシなど

お手入れ方法

スチーム式加湿器のお手入れ方法は次のとおりです。

  1. タンクに残っている水を捨てきる
  2. タンクに手が入る形状のものであれば、乾いた布などで内側の水分を拭き取る
  3. その他のパーツをこすり洗いをする
  4. 汚れがひどい場合はクエン酸水に漬けながらこすり洗いをする

タンクは水を入れる場所なので、しっかりと洗ってください。またその他のパーツに水アカや汚れが付いているようであれば、使わなくなった歯ブラシなどでこすり洗いをします。タンク内にも付着していれば、一緒に洗っておきましょう。

白く固まっているものがある場合、それはカルキが結晶化したものです。結晶化したカルキをそのままにしておくと、落としにくくなってしまいます。パーツやタンクにこびりついたカルキは、クエン酸を水に溶かしたものに漬けた上で、こすり洗いや振り洗いをするのがおすすめです。使用するクエン酸水の濃度は、水2リットルに対してクエン酸大さじ1程度がちょうど良いでしょう。

超音波式加湿器のお手入れ方法

超音波式加湿器は、水に超音波の振動を当て、水を霧のように噴出させて加湿を行う仕組みの加湿器です。シンプルな仕組みのため、小ぶりなものやデザイン性が高いものなど種類が豊富で、比較的リーズナブルな傾向にあります。消費電力が少ない点も特長です。

一方で、超音波式加湿器は加湿できる範囲が比較的狭く、スチーム式や気化式と比較すると水の粒が大きくなりがちです。そのため床や壁の近くで使用すると、それらが湿気を含みやすい傾向にあります。仕組み上加熱をしないことから、加湿器内部でカビや雑菌が繁殖する可能性もあり、そのまま使い続けると空気中にカビや雑菌が放出されてしまいます。他の種類の加湿器と比べると、汚れやすいタイプといえるでしょう。

必要なもの

  • 過炭酸ナトリウム
  • お湯
  • スポンジ
  • 綿棒
  • 乾いた布
  • 使わなくなった歯ブラシなど

お手入れ方法

超音波式加湿器のお手入れ方法は次のとおりです。

  1. タンク内に残った水を捨てて、少量の水を入れる
  2. フタをして軽く振り洗いをする
  3. タンク内の隅などの汚れをスポンジや歯ブラシでこすり洗いをする
  4. その他のパーツを分解し洗ってから水気を取り除く
  5. ニオイが気になる場合は過炭酸ナトリウム水に漬けながらこすり洗いをする

超音波式加湿器は加湿器の中でもカビ雑菌が繁殖しやすく、特にタンク内の隅は汚れが付着しやすいです。そのためお手入れをする際、分解できるパーツはできるだけ分解しましょう。トレイやフィルターは分解できるものがほとんどです。

分解したパーツは、スポンジや使わなくなった歯ブラシなどを使って隅々までこすり洗いします。細かい部分は綿棒も使ってみましょう。そして、洗ったパーツは全て乾拭きをし、水気をしっかり取り除きます。内部に手が入るサイズのタンクであれば、乾いた布で拭くのも効果的です。

超音波式加湿器からカビや雑巾のようなニオイがする場合は、通常のお手入れではなく、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使用しましょう。過炭酸ナトリウムは、お湯2リットルに対して大さじ1程度がちょうど良い濃度です。過炭酸ナトリウムを溶かしたお湯にパーツやタンクを漬け、こすり洗いをしましょう。

気化式加湿器のお手入れ方法

気化式加湿器は、気化フィルターに水を含ませ、そこにファンで風を送ってフィルターが吸った水を気化させる仕組みです。ヒーターを使わないことから、吹き出し口が熱くならず、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心です。また、電気代もそれほどかかりません。

しかし、気化式加湿器はフィルターが常に水を含んだ状態になることから、雑菌が繁殖しやすかったり、水アカがつきやすかったりするというデメリットがあります。こまめに水を替える必要、また、フィルターのお手入れもこまめに行う必要があります。

必要なもの

  • クエン酸
  • 過炭酸ナトリウム
  • お湯
  • スポンジ
  • 使わなくなった歯ブラシなど
  • 乾いた布
  • 掃除機

お手入れ方法

気化式加湿器のお手入れ方法は次のとおりです。

  1. タンク内に残った水を捨てて、少量の水を入れる
  2. フタをして軽く振り洗いをする
  3. タンクの隅などに汚れがあれば歯ブラシやスポンジでこすり洗いをする
  4. 加湿フィルターを水洗いする
  5. 吸い込み口フィルターのホコリを掃除機で吸い取る
  6. 掃除機で取れなかったホコリを歯ブラシでかきだす

タンク内部に手が入るのであれば、タンクの隅を歯ブラシやスポンジでこすり洗いをした後に乾いた布で乾拭きしましょう。

気化式加湿器は特に雑菌が繁殖しやすいため、月に1回程度を目安に次のようなお手入れもおすすめです。

  1. 水2リットルに対して大さじ1程度のクエン酸水を作る
  2. タンク一杯にクエン酸水を入れ、漬け置き洗いをする

また加湿フィルターは常に水分を含んでいる状態のため、特に雑菌が繁殖しやすい傾向があります。こまめに水洗いをし、タンクと同様定期的にクエン酸水で漬け置き洗いすると良いでしょう。

さらに、フィルターからカビや雑巾のようなニオイがする場合は、次のようなお手入れ方法を試してみましょう。

  1. 40℃程度のお湯2リットルに対して大さじ1程度の過炭酸ナトリウムを溶かす
  2. フィルターを入れて漬け置き洗いをする

ハイブリッド式加湿器のお手入れ方法

ハイブリッド加湿器には「超音波式×スチーム式」と「気化式×スチーム式」の2種類があります。「超音波式×スチーム式」は、お湯を霧状にして加湿するもので、「気化式×スチーム式」のものは、気化式とヒーターを組み合わせたものです。

いずれもヒーターで熱した温風をフィルターに当てることによって、超音波式加湿器や気化式加湿器よりも部屋を効率良く加湿できます。ただし構造が複雑なため、価格は高額な傾向にあります。

またフィルターの温風は殺菌できるほどの高温にはならないため、定期的にフィルターやトレイのお手入れが必要です。気化式と同様、水アカが発生しやすい点にも注意が必要です。

必要なもの

  • クエン酸
  • スポンジ
  • 使わなくなった歯ブラシなど
  • 掃除機

お手入れ方法

ハイブリッド式加湿器の中には、タンク内が抗菌仕様になっているものや、お手入れが簡単に済む機能が搭載されているものがあります。そのようなハイブリッド加湿器の場合は、説明書の内容に沿ってお手入れをすれば問題ないでしょう。

一般的なお手入れ方法としては、「超音波式×スチーム式」のハイブリッド式加湿器の場合、以下のお手入れ方法がおすすめです。

  1. 使わなくなった歯ブラシやスポンジで水アカをこすり取る
  2. 水アカをこすり取ったあと、中身を水ですすぐ

ハイブリッド式加湿器は、タンク上部にカルキが固まりやすく汚れが付きがちです。加熱式のためそれほど不衛生な状態にはなりませんが、定期的にお手入れをしなければ水アカがこびりついてしまうことがあります。

一方、「気化式×スチーム式」のハイブリッド式加湿器はフィルターの汚れを落とすことが大切です。おすすめのお手入れ手順は以下の通りです。

  1. 吸い込み口に掃除機を当ててホコリを吸い取る
  2. 使わなくなった歯ブラシでホコリをかきだす

また、加湿フィルターはニオイが発生しやすいパーツであるため、週に1回程度を目安に次の方法でのお手入れをするのがおすすめです。

  1. 水2リットルに対して大さじ1のクエン酸水を作る
  2. フィルターをクエン酸水に漬け置きにする

加湿器を快適に使うためのメンテナンスポイント

前述のとおり掃除の方法は加湿器のタイプによって異なりますが、基本的なメンテナンスのポイントには、共通している部分もあります。ここからは、加湿器を快適に使うためのポイントをご紹介します。

水は毎日入れ替える

水道水は塩素により消毒がされていますが、半日ほどで残留塩素は抜け、雑菌が繁殖しやすい状態になります。そのためたとえ給水サインが出ていなくても、タンクの水は毎日入れ換えましょう。入れ替えの際はタンクの水を捨てた後に水を入れ、一度振り洗いをすると、汚れが付きにくくなります。

水道水以外の水分を入れない

飲料水の場合、水道水よりミネラルウォーターの方が体に良いイメージがありますが、ミネラルウォーターやアルカリイオン水、井戸水、浄水器に通した水などには、基本的に塩素が含まれていません。水道水よりもカビや雑菌が繁殖しやすい状態にあるため、加湿器には水道水を使いましょう。

掃除の頻度

本体のフィルターは週に1回掃除機で吸い取ったり、柔らかい布で拭き取ったりしましょう。落ちにくい汚れの場合は中性洗剤を付けた布で拭き取り、その後乾拭きをします。

トレイや気化フィルターは白っぽい水アカが付きやすいため、2週間に1回は洗いましょう。トレイは柔らかいスポンジなどで軽くこすり、気化フィルターは水洗いした後に柔らかいクロスや布巾などで汚れを拭き取ります。

気化フィルターは1カ月に1回程度、クエン酸を溶かしたぬるま湯に入れて漬け置き洗いをしましょう。漬け置き洗いが終わったら、水道水でしっかりとすすぎ洗いをします。このときすすぎ洗いが十分でないとニオイの原因になります。

お部屋の空間をキレイに保つには・・・

加湿器にはさまざまな種類がありますが、比較的どれも簡単なお手入れで快適に使用できるものばかりです。本記事の内容を参考に、お手持ちの加湿器に適した定期的なお手入れを習慣付けましょう。

なお部屋の中で定期的なお手入れが必要な箇所は、加湿器に限った話ではありません。部屋をなるべく快適な状態に保つには、エアコンやキッチンなども併せてキレイに保つことが大切です。とはいえ同時に掃除するとなると、負担に感じる方もいるでしょう。

エアコンやキッチンなどの掃除を一度に済ませたいと考えている場合は、ぜひ東京ガスにご相談ください。プロによる徹底的なハウスクリーニングサービスをご提供いたします。

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東京ガスのハウスクリーニング コラム編集部

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