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換気扇の油汚れの特徴と掃除方法
キッチン・レンジフード
公開日
2023.04.05
更新日
2023.04.05
換気扇(レンジフード)の油汚れは、放置するとなかなか落ちなくなります。こまめに掃除をして、安全で快適な調理環境を維持しましょう。本記事では、換気扇の油汚れの特徴や掃除方法、掃除頻度についてご紹介します。
目次
換気扇の油汚れの特徴と原因
換気扇はキッチンの高い位置にあるため、料理中の油が直接付着する機会はほとんどありません。しかし、換気扇のファンや周囲には、黒っぽくてベタベタする油汚れが発生します。
その理由は、コンロ周りにはねるような目に見えるものだけでなく、空気中にも油が混ざっているからです。油が混ざった空気を換気扇が吸い込むため、ファンや周囲に油汚れが付着します。
油は冷えると固まって粘着力が出てきます。換気扇に付着したまま時間が経過した油も冷えれば固まり、ベタベタしてきます。ここに付着するホコリや汚れと、酸化した油が黒っぽい油汚れの原因です。
一度固まった油は落としにくく、料理のたびに蓄積していきます。そのため、換気扇の油汚れは放置すると何層にもなり、空気中のさまざまな物質を吸着して非常に頑固な汚れになりやすいです。
換気扇の油汚れを放置するリスク
換気扇の掃除は面倒だと感じる人が多く、ついつい放置してしまいがちです。しかし、長期間掃除をしないとさまざまなリスクが発生します。
キッチンが汚い印象になる
換気扇の油汚れは、溜まれば溜まるほど黒や茶色に変色していきます。はじめはファンの縁だけだった油汚れが、次第にファン全体に広がり、本体部分やスイッチ部分などまでベタつき、見た目も悪化します。
長期間放置しすぎると、油が垂れて壁にまで達してしまうこともあります。食事を作るキッチンにそのような状態のものがあるのは、とても不快です。キッチン全体が汚い印象になってしまうでしょう。
料理中のニオイが部屋中に充満しやすくなる
換気扇の役割は、室内で発生したニオイや汚れた空気を外に排出することです。油汚れを長期間放置して蓄積させてしまうと、換気機能が悪くなり、空気をスムーズに循環させることができなくなります。その結果、料理中のニオイや煙が部屋に充満しやすくなります。
近年では、キッチンとリビングダイニングがつながっている間取りの家が多いです。加えて対面キッチンも増えているため、LDK全体に料理のニオイと煙が広がる恐れがあります。部屋全体にニオイと煙が広がる状況が繰り返されると、キッチン以外の壁や天井にも油汚れが付着してしまうこともあるのです。
電気代が高くなりやすい
油汚れが蓄積し、換気機能が低下した換気扇は、換気のためにより多くの電力を消費するようになり、料理中しか使わなかったとしても、電気代が高くなってしまうことがあります。
年単位で見ると思いのほか無駄な出費になる可能性も。節電や節約の観点からも、できるだけ換気扇の油汚れは放置しないようにしましょう。
カビや結露が発生しやすくなる
換気機能が低下すると、室内に湿気が溜まりやすくなり、結露ができやすくなります。
さらに、湿気が多い場所を好むカビも発生しやすくなります。カビは、汚れや溜まったホコリを栄養にして繁殖するため、見えない場所でカビが増えているかもしれません。もちろん換気扇そのものにもカビが発生する可能性が高くなります。
換気扇が故障する恐れがある
油汚れは換気扇の故障につながることがあります。分厚く層になった油汚れがファンの回転バランスを崩したり、入り込んだ油汚れが内部を腐食させたりすることが原因です。
また、低下した換気機能を補うために、強いパワーで動き続けることも部品の劣化や故障を早めます。
火事になる危険性がある
長期間放置された油は酸化していきます。油が酸化する際には酸化熱が発生し、油が蓄積するほど温度が高くなりやすいです。自然発火や少しの熱で発火に至る可能性があり、とても危険な状態になります。
換気扇の油汚れだけで火事になることはまれですが、こうした危険性があることを知っておきましょう。キッチンは、火や熱を多く使う場所です。少しでも火事のリスクを減らさなくてはいけません。
換気扇の油汚れの掃除方法
換気扇の油汚れは、ご家庭でも掃除できます。油汚れにオススメの洗剤や基本的な掃除方法などを解説します。
用意するもの
換気扇の掃除をするときは、油汚れに強い洗剤と掃除グッズを準備しましょう。必要なものは以下のとおりです。
油汚れに強い洗剤
汚れを落とすときは、反対の性質を持っている洗剤を使うのがポイントです。油汚れは酸性であるため、アルカリ性の洗剤を使うようにしましょう。
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- 塩素系漂白剤
これらはアルカリ性の性質を持っています。一般的なキッチン用洗剤も油汚れを落とすため、簡単にファンや換気扇周りを拭くときにはオススメです。
あると便利なもの
換気扇の油汚れをしっかり落としたいときは、以下のものがあると便利です。
- ゴム手袋
- 大きめのゴミ袋
- スポンジ
- 歯ブラシ
- 新聞紙
- スプレーボトル
ゴム手袋は洗剤による手荒れを防ぐために必要です。大きめのゴミ袋は、後述するつけ置き洗いの際に、換気扇の部品を入れるために使います。
歯ブラシとスポンジは、細かい部分や頑固な汚れを擦り落とす際にあると便利です。汚れてしまうため、捨ててもよいものを準備しておきましょう。
スプレーボトルは外せない部品に洗剤をかける際に使います。スプレータイプのキッチン用洗剤を使っている場合は、そちらを使っても問題ありません。
掃除前の準備
必要なものが揃ったら、掃除の準備をはじめましょう。周りを汚さず、油汚れをしっかりと落とすため重要なポイントです。
コンロとシンクを保護する
換気扇の下に位置するコンロは、換気扇の掃除中に垂れた洗剤や汚れが付きやすいです。新聞紙で覆って保護しておきましょう。
シンクには外した換気扇の部品を入れます。その際にシンク内を傷つける恐れがあるため、部品を入れられるようにゴミ袋を広げておくとよいです。シンクに直接部品を入れる場合は、ビニールシートや開いたゴミ袋をテープで止めて保護しましょう。
部品を外す
換気扇にはシロッコファンとプロペラファンの2種類があります。シロッコファンは、細長いファンがたくさん付いた、回し車のような形状をしています。プロペラファンは名前のとおり、プロペラの形をしたファンが付いているタイプです。それぞれのタイプで外せる部品は以下のとおりです。
シロッコファン | シロッコファン・整流板・フィルター・ベルマウス(シロッコファンのはずれ防止のための円盤状の部品)
※ベルマウスがない機種もあります。 |
プロペラファン | プロペラファン・フィルター・スピンナー・換気扇カバー・油だまり |
油汚れをキレイに落とすポイントは、外せる部品は全部外すことです。外せる部品がどこかわからない場合は、説明書を確認してみましょう。
基本はつけ置きで落とす
換気扇の油汚れの掃除方法は、基本的につけ置きです。
- ゴミ袋の中に外した部品をすべて入れる
- 45度~50度程度のお湯を部品が浸かる程度に入れる
- 洗剤を入れる
- ゴミ袋の口を結んで30分ほど放置する
- 時間が経過したら部品の細かい部分を擦り洗いする
- 乾かして元に戻す
外した部品はこの方法で掃除をすると、効率的に油汚れを落とすことができます。
ポイントはお湯を使うことです。油汚れはアルカリ性とお湯によって落ちやすくなります。
放置時間が経過すると油汚れがかなり浮いてきますが、頑固な汚れはつけ置きだけでは落ちません。スポンジや歯ブラシを使って擦り、隅々までキレイにしましょう。
外せない部品の掃除方法
取り外しができない部品は、スプレータイプの洗剤で掃除します。掃除をしたい部分に洗剤を直接吹きかけて掃除してください。
なかなか落ちない汚れは、スプレーをしてからキッチンペーパーをかぶせ、5分~10分ほど放置すると落としやすいです。
油汚れはかなり細かい部分にまで入り込んでいることがあります。ネジや留め具の隙間、スイッチの溝などもチェックしてみましょう。歯ブラシや綿棒を使って擦ると細かい部分までキレイにできます。
落ちない汚れはプロに依頼する
つけ置きや擦り洗いで、換気扇の油汚れは落としやすくなります。しかし、長期間放置してしまった油汚れは、何層にも重なって固くなった状態です。ご家庭ではなかなかキレイにできません。
頑固な汚れを根こそぎ落とすには、強力な洗剤や特殊な道具が必要です。個人で用意するのは難しいものが多いため、どうしても落ちない油汚れがある場合は、プロに依頼しましょう。黒くなった油汚れやカビ、着色など、普段の掃除では落とせない汚れもキレイになります。
換気扇の掃除頻度
換気扇を掃除する頻度は、料理の頻度や油を使う量によって異なります。料理の回数が少なかったり、油を使わない料理が多かったりする場合は、数カ月~半年に1回程度で問題ありません。
毎日料理をする場合や、揚げ物や炒め物など油を使う料理が多い場合は、月に1回の掃除を目標にしましょう。また、換気扇周りは料理をするたびに簡単に拭き掃除をしておくとよいです。コンロを掃除するときについでに拭いておくだけでもキレイになります。
換気扇の油汚れは、放置するほど落としにくくなります。ベタベタするうえに、部品の分解や高い場所の掃除など、面倒と感じる要素が多いですが、定期的な掃除で汚れを溜めないようにしましょう。
換気扇の油汚れを防止する方法
換気扇の油汚れを防止するには、換気扇に直接汚れが付かない環境を作ることが大切です。簡単にできる2つの油汚れ防止方法をご紹介します。
フィルターカバーを付ける
換気扇に付いているフィルターは、掃除が面倒な部品の1つです。ここに外付けのフィルターカバーを付ければ、フィルター本体に油汚れが付きにくくなります。フィルターカバーが汚れてきたら交換するだけでよいので、掃除の負担を大幅に軽減できます。
ただし、フィルターを付けると換気扇の換気能力が落ちてしまいます。また不織布でできたフィルターは火災の恐れがありますので、ご使用には十分ご注意ください。
こまめな掃除で換気扇をキレイに保とう
換気扇は料理をする限りどうしても汚れてしまう部分です。落としにくい油汚れが多いため掃除も億劫に感じがちですが、こまめな掃除を心がけましょう。
掃除ができない場合や頑固な汚れにお困りの際は、掃除の専門業者に依頼するのがオススメです。換気扇を隅々までキレイにして、気持ちよく料理ができる環境を取り戻せます。
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