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アルカリ電解水とは?使い方や効果を徹底解説
エアコン
キッチン・レンジフード
その他(屋内)
公開日
2024.10.09
更新日
2024.10.10
アルカリ電解水は、近年、洗浄液として洗剤や掃除用品売り場などで目にする機会が増えてきた掃除アイテムです。最近になって初めて目にし、「他の洗剤とはどのように違うのか」「どのような場所の掃除に適しているのか」など気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではアルカリ電解水の特徴やアルカリ電解水を使えるもの、使えないものをご紹介します。後半ではアルカリ電解水のメリット・デメリットと、使用する際の注意点についても触れているので、ぜひ外最後まで読んで掃除に取り入れるかどうかの判断材料にしてください。
目次
アルカリ電解水は強アルカリ性の液体
水は電気を通すとアルカリ性と酸性に分離する性質を持っています。この過程で生成される強アルカリ性の液体が、アルカリ電解水です。ごく普通の水から洗浄液としてのアルカリ電解水が作られています。
液体の性質を数値化する際は「pH(ペーハー)」という水素イオン濃度の略称を示す単位が用いられます。pH7を基準とし、pHの数値が低ければ酸性、pHの数値が高ければアルカリ性です。アルカリ電解水のpHは製品によってさまざまですが、一般的に洗浄用として販売されているものは、pH10~12ほどが目安です。またpH12.5以上であれば、除菌・消臭効果が期待できます。
なおアルカリ電解水はほぼ水でできているため、洗剤などに含まれていることの多い界面活性剤などの成分が含まれていない点が大きな特徴といえます。
重曹やセスキ炭酸ソーダとの違い
重曹やセスキ炭酸ソーダは、アルカリ電解水と同じアルカリ性の掃除アイテムですが、それぞれ特性が異なります。
重曹には研磨作用があり、焦げ落としに適しています。水に溶けにくいため、ペースト状や粉状の商品が多いです。
セスキ炭酸ソーダは重曹に炭酸ナトリウムを加えたもので、水に溶けやすい性質があります。そのため、スプレータイプやウエットシートタイプの商品も多く見られます。
アルカリ電解水は油汚れ以外にカビ防止などにも使える
アルカリ電解水は極めて強いアルカリ性を持っているため、酸性の汚れに対して優れた洗浄力を発揮します。以下では、アルカリ電解水が使える汚れの種類や一般的な使い方についてご紹介します。
なお実際に家の中や電化製品を掃除する際は、取扱説明書などを確認してメーカーの推奨する方法で進めましょう。
油汚れ除去
アルカリ電解水は、油汚れの除去に非常に効果的です。油汚れが気になる場所にアルカリ電解水をスプレーするだけで、汚れを拭き取りやすくなります
油汚れの掃除をより効率的に行うには、汚れた部分が温かい状態のときに掃除をするのがおすすめです。例えばガスコンロの場合、料理が終わってからやけどをしない程度の温度になったタイミングでアルカリ電解水をスプレーすると、汚れが落ちやすいでしょう。
またキッチンの壁やカウンターテーブルに付いた頑固な油汚れには、アルカリ電解水を吹きかけた上にラップを貼り、その上からドライヤーの熱を当てることで汚れが落ちやすくなります。液だれが気になる場合は、キッチンペーパーの上からアルカリ電解水をかけ、ラップを貼ると良いです。
カビ防止
アルカリ電解水には、カビを直接死滅させる効果はありません。しかし、カビは油脂やたんぱく質などのさまざまな汚れを養分として繁殖します。そのためアルカリ電解水でカビの栄養源を取り除くことが、カビの予防につながります。
水アカや皮脂汚れ、ぬめりなどが付着する場所には、アルカリ電解水を用いたこすり洗いが効果的です。日頃から小まめに掃除することで、カビの発生を抑制できるでしょう。
エアコン掃除
アルカリ電解水は、エアコンの掃除にも大変効果的です。特にエアコンのフィルターは、掃除機で埃を吸い取るだけでは汚れを十分に取り除けません。
フィルターの掃除手順は以下のとおりです。まず、外したフィルターの内側からシャワーをかけて細かい埃を落とします。次にフィルターにアルカリ電解水をかけ、5~10分程度放置してください。その後、使わなくなった歯ブラシなどで優しくこすり洗いをすることで、フィルターにこびり付いた油汚れを落とせます。
洗浄後は水ですすぎ、タオルドライや日陰干しをしっかり行い、フィルターを完全に乾かしてから元の位置にセットすれば完了です。
アルカリ電解水を使ったエアコンのフィルター掃除は、エアコンの性能を維持し、清潔な空気を保つために効果的な方法です。定期的な掃除で、快適な空間を保ちましょう。
換気扇フィルター掃除
換気扇フィルターの掃除には、以下の手順でアルカリ電解水を使用するのが一般的です。
まずキッチンペーパーを換気扇フィルターに被せ、その上からアルカリ電解水をスプレーします。換気扇フィルターにパックをしているような状態で、10分程度待ちましょう。
次にアルカリ電解水を含んだキッチンペーパーをはがし、不要になった歯ブラシや換気扇掃除用のブラシを使って油汚れをこすり落とします。最後は、タオルドライか自然乾燥をさせて完了です。
一度のスプレーで汚れが落ちない場合は同じ手順を繰り返すことで徐々に汚れが落ちていきますが、基本的には頑固な汚れがこびり付く前に、定期的な掃除を行うことが大切です。小まめな掃除を心がけることで、軽い掃除だけで換気扇フィルターの美しさを維持できるでしょう。
電子レンジ掃除
電子レンジを掃除する際は、まず安全のためにコンセントを抜いておきましょう。
電子レンジの外側は、直接スプレーをすると本体に水分が入り故障の原因となる可能性があります。そのため乾いた布巾にアルカリ電解水を吹きかけ、拭き取るように掃除しましょう。
電子レンジの庫内を掃除する際は、耐熱皿とキッチンペーパーを用意します。キッチンペーパーを4分の1のサイズに折り畳み、耐熱皿の中に入れます。そこに約80mlのアルカリ電解水を注ぎ、500Wで3分間加熱してください。その後は加熱されたキッチンペーパーを使って、庫内全体を拭き掃除します。側面や扉の内側、天井など、隅々まで丁寧に拭きましょう。汚れがこびり付いて取れにくい箇所には、アルカリ電解水を含ませたキッチンペーパーをパックのように貼り付け、再び500Wで2分程度加熱してから拭き掃除を行います。
アルカリ電解水を使った電子レンジの掃除は、油汚れや頑固な汚れを効果的に除去し、庫内を清潔に保つのに役立ちます。定期的な掃除で、電子レンジが衛生的な状態を維持しましょう。
まな板掃除
まな板は先に中性洗剤で汚れを落としてから、まな板の表面と裏面にアルカリ電解水をスプレーします。そのまま30秒ほど放置して、最後に水で洗い流し、乾燥させましょう。
まな板にアルカリ電解水を使用するのであれば、汚れを落とす効果だけでなく除菌や消臭効果も得られるよう、pH12.5以上のものを使用するのがおすすめです。
リモコン掃除
リモコンは頻繁に手で触れるため、皮脂が付着しやすいアイテムです。そのままにしておくとベタつきに変わるため、定期的な掃除が必要です。
電子レンジの外側と同様、リモコンに直接アルカリ電解水を吹きかけると、内部に水分が入り込み故障の原因になりかねません。そのためタオルや布巾などにアルカリ電解水を吹きかけ、リモコン全体を拭き上げます。細かい部分やボタンの周辺の隙間については綿棒やつまようじを使うと良いでしょう。
おもちゃ掃除
プラスチック製のおもちゃに付きやすい手アカや皮脂汚れは酸性のため、アルカリ電解水を使うことで中和反応が起こり、汚れが浮いて落ちやすくなります。
またアルカリ電解水は水でできているため、乾けば水に戻ります。そのため、界面活性剤を使用している他の洗剤と比べると、赤ちゃんや家族の健康に配慮した掃除が可能です。pH12.5以上のものを使えば汚れを落とすと同時に除菌ができ、二度拭きの手間もいらないため、プラスチック製のおもちゃに最適な掃除方法といえるでしょう。
ドアノブ・窓ガラス掃除
アルカリ電解水はドアノブや窓ガラスの掃除にもおすすめです。タオルや雑巾にアルカリ電解水を10~15回程度吹きかけて湿らせ、拭き上げましょう。
またアルカリ電解水は、車のガラスの掃除にも適しています。フロントガラスのような面積の大きな場所は、アルカリ電解水を均等にスプレーし、マイクロファイバータオルでサッと拭き上げるとキレイになります。
ただしアルカリ電解水で掃除するのは内側だけにしましょう。車のガラスの外側は汚れを防ぐためのコーティングが施されている場合が多く、アルカリ電解水を使うと、コーディングがはがれる恐れがあります。車のボディも同様にコーティングがはがれる可能性があるため、アルカリ電解水の使用は避けましょう。
アルカリ電解水を使えないもの
アルカリ電解水は水が主成分であることから、エコで万能な掃除用品というイメージがあります。しかし強いアルカリ性を持っているため、掃除に使えないものもあります。「水でできているから大丈夫」と安易に考え、さまざまなものにアルカリ電解水を吹きかけていると、思わぬ変質が起こる恐れがあるので注意が必要です。
以下では、掃除の際にアルカリ電解水を使えないものをご紹介します。
皮製品や白木など水に弱いもの
皮製品や白木、漆など水に弱いものにはアルカリ電解水を使用しないようにしましょう。これらの素材にアルカリ電解水を吹きかけると、素材に染み込んでシミになる可能性があります。
貴金属
金や白金、真鍮、アルミニウムといった貴金属は、アルカリ性に反応しやすい性質があります。そのためこれらの素材にアルカリ電解水を使用した場合、腐食の原因になる恐れがあります。
アルカリ電解水は水でできているため安心なイメージがありますが、貴金属への使用は避けるべきです。
表面にコーティングが施されているもの
ワックスやニスなどのコーティング剤が施されていると思われるものには、基本的にはどのようなものであっても、アルカリ電解水を使用しないようにしましょう。
前述した自動車のコーティングの他、パソコン、テレビの液晶画面などは何らかのコーティングが施されていることが多いです。汚れが気になる場合でも、そういったものへのアルカリ電解水の使用は控えるのが賢明です。
アルカリ電解水のメリットとデメリット
アルカリ電解水は、ほぼ水であるにもかかわらず、油汚れをはじめとしたさまざまなものの汚れを落とすことができるのが特徴です。しかし、アルカリ電解水はメリットばかりではなくデメリットもあるため、使用する際はあらかじめメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。前述したアルカリ電解水が使える汚れ、使えない汚れはそのままメリット、デメリットに当たります。
ここでは、これまでに紹介した内容を踏まえ、メリット・デメリットという観点で詳しく解説します。
アルカリ電解水のメリット
繰り返しになりますが、アルカリ電解水は極めて強いアルカリ性を持つため、酸性の汚れに効果的な点がメリットです。酸性の汚れの代表例としてはキッチンの油汚れ、手アカ、食べこぼし、フローリングの皮脂汚れなどが挙げられます。
また前述の通りpH値が12.5以上のアルカリ電解水は、多くの菌を不活化することが可能です。インフルエンザウイルスなどを不活化できるともいわれている他、アルコールでは不活化できないノロウイルスも不活化できるとされています。
さらには、アルカリ電解水は100%の除菌効果はありませんが、サルモネラ菌とO-157の除菌にも一定の効果があるという報告もあります。キッチンで使用すれば食中毒の予防にもつながるでしょう。
加えて、アルカリ電解水は水からできているため、洗剤成分が掃除した場所に残ることがありません。そのため二度拭きの必要がなく掃除時間を短縮できる点も、大きなメリットといえます。
まとめると、アルカリ電解水は強力な洗浄力と一定の除菌効果を持ちながら、利便性にも優れている洗浄液といえるでしょう。
アルカリ電解水のデメリット
アルカリ電解水の第一のデメリットは前述のとおり、基本的に水が使えない場所やものには使用できないという点です。使用できない素材や製品の代表例をリストにまとめると、以下のとおりです。
- アルミニウム素材
- 無垢材
- 皮革類
- 絹製品
- 貴金属
- ニスを塗った家具
- 眼鏡
- 真鍮
- 漆器
- 自動車の塗装部分 など
またアルカリ電解水は時間が経過することで、成分が中性、つまりは水になります。これにより、洗浄効果が落ちる場合があることも覚えておきましょう。
アルカリ電解水を使用する際の注意点
アルカリ電解水を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
目に入らないように注意する
これまでにご紹介してきたとおり、アルカリ電解水は水が主成分であるため、幅広いものに安心して使用できる傾向にあります。ただし口に入った場合は、確実に安全とはいえません。アルカリ電解水の中には非常にアルカリ性が強く、目や口の粘膜に触れると危険な製品もあります。
そのためアルカリ電解水を高い場所に吹きかけるような場合や、狭い場所で使用するような場合には、ゴーグルなどを着用して目に入らないように注意しましょう。
ゴム手袋をする
人間の皮膚は酸性のタンパク質でできています。そのため非常に強力なアルカリ性であるアルカリ電解水を素手で触ると、肌荒れの原因になることがあります。アルカリ電解水を使用する際はゴム手袋をし、皮膚にかからないように注意しましょう。
直射日光を避けて保存する
アルカリ電解水は直射日光の当たる場所や高温になる場所で保管すると、中性化が進み、洗浄効果が低くなる可能性があります。冷暗所で保管し、できるだけ早く使い切りましょう。
アルカリ電解水は基本的に自作できない
アルカリ電解水は水を電解分解する特殊な装置を使って生成されるため、基本的には、市販されているようなものを自作することはできません。生成に必要な装置も非常に高額なので、気軽に自作することはまず難しいといえるでしょう。
なお先述した重曹やセスキ炭酸ソーダなどで、アルカリ性の洗浄液を自作することは可能です。アルカリ電解水よりは洗浄力は落ちますが、アルカリ性のパワーを体験してみたいという方は試してみるのも良いでしょう。
アルカリ電解水を賢く使って掃除をラクに
アルカリ電解水は幅広いものに対して使うことができ、日常的に行うちょっとした掃除に便利です。ただし使用に適したもの・適していないものがあるため、それぞれを事前に把握しておきましょう。
なお自力では落とせない汚れがある場合や、どのように掃除をしたら良いのか分からない場合は、東京ガスのハウスクリーニングをぜひご検討ください。プロの技術と専用の器具や洗剤によって、しつこい汚れやニオイのもとなどを徹底的にキレイにいたします。
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