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お風呂の床の黒ずみはなぜできる?原因と掃除方法を解説
浴室
公開日
2022.12.09
更新日
2024.08.13
お風呂(浴室)の床にできる黒ずみは水アカや石鹸カス、皮脂汚れ、カビなどが主な原因です。黒ずみは力任せにこすっても落ちないことが多く、掃除を諦めてしまっている方もいるでしょう。しかし、汚れの原因に対して適切な方法で掃除をすれば、頑固な黒ずみも簡単に落とすことが可能です。
本記事ではお風呂の床の黒ずみが発生する原因と、汚れの種類ごとの掃除方法をご紹介します。掃除の注意点や黒ずみの防止方法も解説します。お風呂の床の汚れにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
お風呂の黒ずみの5つの原因
お風呂で発生する黒ずみは水アカや石鹸カスなど日々の使用で生じる汚れや、それらを養分とするカビが黒く変色したものです。ここでは黒ずみの原因となる汚れを種類ごとに解説します。
1. 水アカ
水アカはお風呂やキッチンなど水回りで見られるうろこ状の白い汚れです。汚れが目立つ場所として金属製の蛇口やガラス製の鏡などが挙げられますが、浴槽や床にも水アカは付着します。
白い汚れの正体は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分です。水道水の水分が蒸発するとミネラル分だけが残り水アカになります。水アカは放置すると固まってこびりついてしまうため、こまめな掃除を心掛けましょう。
2. 皮脂・油脂
お風呂を使用した際に流れ落ちる皮脂や石鹸に含まれる油脂は、それ自体が汚れとなります。身体を洗った際に飛び散った石鹸には皮脂や油脂が多く含まれているので、お風呂を使用した後は石鹸の泡を残さないようしっかりと洗い流しておきましょう。
3. 石鹸カス
石鹸カスは流しきれなかったシャンプーやボディソープ等が蓄積して生じる汚れです。石鹸のボトルを置く棚はもちろん、床の溝や壁際の隅にも石鹸カスは溜まります。汚れを放置すると茶色く変色するだけでなくカビが増殖する要因にもなるため、石鹸カスが溜まりやすい箇所は常に清潔に保つようにしましょう。
4. 赤カビ(ピンクぬめり)
お風呂の床や壁、浴槽など至る所に発生する赤カビも黒ずみの原因となります。一般的に赤カビやピンクぬめりと呼ばれますが、正確にはカビではなく「ロドトルラ」という雑菌です。
ロドトルラは非常に繁殖力が強く、湿度が高く温かい場所では短時間で汚れが広がってしまいます。人体へ直接の影響はありませんが、黒カビのエサにもなるため、見つけたらすぐに除去しましょう。
5. 黒カビ
お風呂で発生する汚れのなかでもとくに厄介なものが黒カビです。正式名称を「クラドスポリウム」と言い、黒い斑点のように増殖していきます。
黒カビは深く根を張ることが特徴です。表面上の汚れを落としたとしてもすぐに増殖してしまうため、確実に除去するためには塩素系漂白剤などを用いて掃除する必要があります。
また皮脂や油脂、石鹸カス、赤カビなどお風呂で発生する汚れは、それ自体が黒カビの養分になります。黒カビの発生を抑えるためには、些細な汚れでもすぐに洗い流し、お風呂を清潔に保つことが大切です。
黒ずみの原因別の掃除方法
お風呂の黒ずみの原因になる汚れには、アルカリ性と酸性いずれかの性質があります。掃除の際は反対の性質を持つ洗剤を使用して成分を中和することがポイントです。ここでは汚れの種類ごとに適切な掃除方法を紹介します。
なお、酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜると、有毒な物質が発生します。
体調不良の原因にもなるため、酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜて使うことは絶対にやめましょう。
同じ場所で使う場合は、使用していた洗剤をきちんと落としてから次の洗剤を使ってください。
水アカ・石鹸カスには酸性洗剤を使用する
水アカや石鹸カスはアルカリ性の汚れなので、掃除には酸性の洗剤が有効です。お風呂用の酸性洗剤も市販されていますが、スーパーや100円ショップ等で購入できるクエン酸を用意すればよりお手軽に掃除ができます。自然派洗剤であるため、身体への負担が気になる方にもおすすめです。
クエン酸を使用した掃除方法
クエン酸で水アカ・石鹸カスの掃除をする際は以下のものを用意しましょう。
- クエン酸(小さじ1杯)
- 水(200ml)
- 空のスプレーボトル
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジ・お風呂掃除用ブラシ
掃除の手順は以下の通りです。
1.空のスプレーボトルに水(200ml)とクエン酸(小さじ1杯)を入れ、混ぜ合わせてクエン酸水を作る。※濃さは汚れに応じて調整する
2.水アカ、石鹸カスの汚れが気になる箇所にクエン酸水を十分に吹きかける。
3.クエン酸水を吹きかけた箇所にキッチンペーパーを張り付ける。
4.キッチンペーパーをさらにラップで覆って密閉し、1時間放置する。
5.ラップとキッチンペーパーを剥がし、スポンジやブラシで汚れをこする。
6.最後にシャワーで洗い流す。
クエン酸水は水200mlに対してクエン酸小さじ1杯が目安です。硬くこびりついた水アカは簡単には落ちないため、キッチンペーパーとラップでしっかりパックして汚れにクエン酸水を染み込ませましょう。
皮脂や油脂の汚れ・カビにはアルカリ性洗剤を使用する
湯アカや皮脂・油脂の汚れ、カビは酸性の性質を持つため、アルカリ性の洗剤が効果を発揮します。洗剤として使用するのは人体に無害な重曹がおすすめです。重曹は水に溶かして溶液にするだけでなく、水に溶けにくい性質を活かして研磨剤のように使用することもできます。
重曹水の作り方
掃除用の重曹水を作る際は以下のものを用意しましょう。
- 重曹(小さじ2杯)
- 水(200ml)
- 鍋(アルミ製以外)
- 空のスプレーボトル
作り方は以下のとおりです。
1.鍋に水(200ml)を入れ、火にかけて沸騰させる。
2.沸騰したお湯に重曹(小さじ2杯)を複数回に分けて入れる。
3.重曹がすべて溶けきったら火を止め、溶液を常温まで冷ます。
4.冷めた重曹水をスプレーボトルに入れて完成。
重曹水は沸騰させるとアルカリ濃度が高まる性質があります。これを利用すればより強力な洗浄力を持つ重曹水が作れるという仕組みです。なお、重曹水を作る際はアルミ製の鍋では傷んでしまう可能性があるため、使用は控えましょう。
重曹水はお風呂の掃除以外にもキッチンやリビングなどあらゆる場所の掃除に活用できます。汚れが気になったときにすぐ使えるよう常備しておきましょう。
重曹水を使用した掃除方法
重曹水を使用した掃除方法は、汚れが気になる箇所に重曹水を吹きかけてスポンジやブラシでこするだけです。汚れが強固な場合は重曹水を吹きかけて1時間ほど放置しましょう。キッチンペーパーやラップで汚れごと密閉するとより効果的です。
重曹を研磨剤として掃除する方法
水に溶けにくい性質を持つ重曹は、粉末のまま使用することでひと粒ひと粒が研磨剤の役割を担います。アルカリ性の性質で汚れを中和しつつ細かい溝の汚れをかき出すので、お風呂の床の頑固な黒ずみにも効果的です。
重曹の粉末でお風呂の床全体を掃除する手順は以下のとおりです。
1.床全体をシャワーで湿らせる。
2.床全体に重曹(50〜100g)を満遍なく振りかける。
3.重曹の粉末ごとブラシで床をこする。
4.汚れが落ちたらシャワーで重曹を洗い流す。
頑固なカビには塩素系漂白剤や酸素系漂白剤を使用する
重曹でも綺麗にならない頑固なカビ汚れは市販の塩素系漂白剤、もしくは酸素系漂白剤を使用しましょう。なお、漂白剤はカビの除去に高い効果を発揮しますが、人体に有害な成分も含まれているので取り扱いには十分注意しましょう。
塩素系漂白剤を使用したカビの掃除方法
塩素系漂白剤はカビ専用洗剤として一般的に流通している漂白剤です。カビを根元から除去できるため、今あるカビの除去だけでなく新たなカビの発生を予防する効果も期待できます。
塩素系漂白剤の効果的な使用方法は以下のとおりです。
1.カビを覆うように洗剤を吹きかける。
2.30分〜1時間ほど放置する。
3.洗剤をシャワーで洗い流す。
吹きかけた洗剤をさらにキッチンペーパーやラップで覆い、汚れごと密閉すればより高い効果が期待できます。
なお、塩素系漂白剤には人体に有害な成分も含まれるため、使用する際は必ずゴム手袋を着用し、薬品に直接触れないようにしましょう。また、ニオイがきついためお風呂の換気を徹底することも大切です。そのほか製品ごとに記載された注意事項を厳守して使用しましょう。
酸素系漂白剤を使用したカビの掃除方法
酸素系漂白剤は、主に衣類やキッチン用の漂白剤として市販されている洗剤です。塩素系漂白剤と比べるとカビの除去効果は低下しますが、塩素系漂白剤特有の刺激臭はありません。塩素系漂白剤のツンとするニオイが苦手な方は酸素系漂白剤によるカビの除去を試してみましょう。
酸素系漂白剤を使用した掃除方法は以下のとおりです。
1.水が抜けないように浴室の排水口にフタをする(水を溜めたビニール袋がおすすめ)。
2.床全体に酸素系漂白剤を撒く。
3.床全体が浸るように水を張り、2〜3時間ほど放置する。
4.床に溜めた水を抜き、床全体をシャワーで洗い流す。
部分的に汚れを落としたい場合は、気になる箇所に洗剤を塗布しキッチンペーパーやラップを被せて放置する方法も有効です。
掃除の際の注意点
お風呂の床の黒ずみを除去するためには正しい方法で掃除をすることが大切です。ここではお風呂の黒ずみ掃除で注意すべきポイントを3つ紹介します。
汚れの性質に合った洗剤を使用する
掃除の際は汚れの性質に対して適切な洗剤を使用しましょう。先述したように、お風呂の黒ずみの原因となる汚れにはアルカリ性の汚れと酸性の汚れがあります。
アルカリ性の汚れ | 水アカ、石鹸カス |
酸性の汚れ | 皮脂・油脂汚れ、赤カビ(ピンクぬめり)、黒カビ |
アルカリ性と酸性はお互いを中和する働きがあるので、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を使用することが基本です。汚れと同じ性質の洗剤では汚れを中和して分解することができず、十分な洗浄効果が得られなくなってしまいます。
漂白剤は使用方法を厳守する
塩素系漂白剤や酸素系漂白剤を使用する際は、各商品に記載された使用方法や使用上の注意事項を厳守しましょう。漂白剤は中性洗剤よりも強力な汚れ除去効果が期待できる一方、人体に有害な成分も含まれています。ほかの薬品と混ぜると化学反応によって有毒ガスが発生する場合もあるため、取り扱いには注意が必要です。
漂白剤を使用する際の主な注意点としては以下の内容が挙げられます。
- においがきついため、窓を開けて換気をする
- 薬品に直接触れないようにゴム手袋を着用する
- 薬品が目や肌に触れてしまった場合は速やかに洗い流す
- 塩素系漂白剤と酸性洗剤はまぜないようにする(有毒ガスが発生するため)
- 塩素系漂白剤とクエン酸はまぜないようにする(有毒ガスが発生するため)
塩素系漂白剤と酸性洗剤やクエン酸がまじってしまうと、有毒ガスが発生してしまいます。そのため、併用は避けるようにしましょう。もしそれぞれを使用するのであれば日をずらす必要があります。
必要以上に強くこすらない
お風呂を掃除する際は必要以上に強くこすらないようにしましょう。お風呂を構成する素材はガラスや陶器、樹脂などキズつきやすいものばかりです。強くこすると素材のコーティングが剥がれ落ちたり、素材自体にキズがついたりする場合があります。
素材にキズがつくとその部位に汚れやカビが発生しやすくなります。頑固な汚れはついつい力を入れてこすってしまいがちですが、素材をキズつけないよう優しくこすることを心掛けましょう。
お風呂の床の黒ずみ対策方法
お風呂は湿度が高く、掃除を怠るとすぐに汚れやカビが発生してしまいます。常に清潔に保つためには普段から意識的に対策を講じなければなりません。最後に、お風呂の床の黒ずみを抑えるための方法をご紹介します。
使用後は熱めのシャワーで洗い流す
お風呂を使用した後は熱めのシャワーで床や壁を洗い流しておきましょう。石鹸カスや皮脂を残らず洗い流しておくことで、それらを養分とするカビの発生を抑制できます。
また、赤カビは50℃以上の熱が苦手です。熱いシャワーを掛けることで厄介な赤カビも不活性化できます。
水分を拭き取る
お風呂の使用後はできる限り水分を残さないようにしましょう。赤カビは水分だけで増殖してしまうことに加え、赤カビが発生するとそれを養分とする黒カビも発生してしまいます。なお、お風呂の床や壁の水分除去には水切りワイパーやマイクロファイバー製の布がおすすめです。
しっかりと換気をする
カビの増殖を抑えるため、お風呂の換気を徹底しましょう。水分が多く、湿度の高いお風呂はカビにとって絶好の繁殖場所です。余分な水分を乾燥させ、湿度を低下させるためには換気が欠かせません。可能であれば換気扇は24時間常に稼働させておきましょう。
なお、先述した床や壁の水切りを合わせて行うと浴室が乾燥しやすくなり、換気の効率が上がります。
お風呂の床は日頃からこまめなお手入れが重要
お風呂の床の黒ずみは、日々の使用で生じる水アカや皮脂・油脂の汚れ、石鹸カス、さらにはそれらを養分とするカビが主な原因です。こすっても落ちない頑固な汚れであっても、汚れの性質に合わせて適切な洗剤を使用すれば簡単に落とすことができます。
また、黒ずみの発生を抑えるためには、お風呂を使用した後にしっかりと汚れを洗い流し、換気によって浴室を乾燥させることが大切です。日頃からこまめなお手入れを意識し、お風呂を清潔に保ちましょう。
すでに汚れがひどくてどうしたらいいかわからない、自力の掃除が難しいという場合は、専門業者に掃除を依頼しましょう。
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